Azure Backupの拡張

今日のUpdateでAzure Backupが仮想マシンレベルで利用できるようになりました。

今まではBackup Agentを使用してデータのバックアップなどは行えましたが、ベアメタルというかスナップショット的な使い方は結構面倒くさい感じでした。
今日のアップデートではAzure Backupの機能としてAzureのファブリックレベル(インフラ側)でBackupできるようになり、ノンストップで仮想マシンのイメージを取得することができます。またWindowsだけでなくLinuxでも取得できます。(なおPublic Preview機能です)

  • 一貫性のあるバックアップ
    • 本番ワークロードに影響を与えないバックアップ
    • VMのダウンタイムなしでのバックアップ
    • Windowsでのアプリケーションレベルでの整合性
    • LinuxでのOSのファイルシステムレベルの一貫性
  • ファブリックレベルのバックアップ
    • バックアップに必要な環境のスケーラビリティ
    • 複数VMを同時に、エージェントレスでバックアップ
    • ポータルからの集中管理
    • ジョブの追跡・状況の確認
    • 最後のリカバリポイントからの増分バックアップ
  • ポリシー主導
    • スケジュール
    • オンデマンド
    • Backup Vault内でリカバリポイントの自動管理
    • 元VMが削除されてもバックアップデータを保持

簡単にいうと、Hyper-Vでいうところのチェックポイント(スナップショット)をAzureのポータルから行えます。
ファイルレベルで取得するBackup Agent方式と違って、ファブリックレベルなのでOS側にAgentを入れたりせず行えることとバックアップに要する時間が早く、予測できる点が大きいですね。

※但しAgentは不要だけどVM Extensionsは必要(自動でインストールされる)なようす

How to

まずバックアップ対象を登録する必要があります。バックアップVaultの「登録済みの項目」を選択し、「検索」を実行します。

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検索実行後、「登録」メニューを選ぶと一覧に仮想マシンが表示されるのでチェックをつけて登録します。

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※ちなみに登録を行うと最初に選択した仮想マシンに「Microsoft.Azure.RecoveryServices.VMSnapshot」というVM Extensionsがインストールされます。
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しばらくすると仮想マシンが登録されます。(登録状況は「ジョブ」で見ることができます。おかしい場合はこちらを参照しましょう)

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実際にバックアップするにはポリシーを作る必要があります。「保護」imageメニューか、「ポリシー」タブから作成を行います。ポリシー名とバックアップ頻度(週単位・日単位)、バックアップの保持期間を入力します。

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次にバックアップ対象の仮想マシンを選択します。

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できました。

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作ったポリシーは詳細画面で編集できます。

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さてこれでポリシーにそったバックアップは行われるようになりました。

「保護された項目」タブで「Azure 仮想マシン」を選択すると登録してポリシーで定義した仮想マシンが表示されます。

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手動で実行するには「今すぐバックアップ」imageを選択するとジョブが作成されます。

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ジョブを見ると実行されていることがわかります。

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なお実行中も仮想マシンは普通に動いてます。だいたい20分ぐらいかかりました。

保護された項目で詳細みると最新の復旧ポイントなど状態をみることができます。

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なお復旧ポイントがある状態で再度バックアップを行うと増分バックアップとなります。

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初回:OS起動後の状態(20分)
2回目:IISインストールしたりした後(12分)

という感じの結果になりました。たぶんそんなに変動なく20分ぐらいでバックアップ取れるんでは無いでしょうか。

さてバックアップできたら次はリストアですね。

リストアは「保護された項目」タブの「復元」を実行します。

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どの時点に戻すかを選択します。

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戻し先を選択します。

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戻し先クラウドサービスはバックアップVaultと同じリージョンで元仮想マシンとは別のクラウドサービスを選択ないし新規作成するようです(多分)。。
実行して数分たつとクラウドサービスや仮想マシンが作成されます。あとはプロビジョニングが完了するのを待つばかり。

一番最初の復旧ポイントに戻してみたところ所要時間8分ぐらいでした。

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クラウドサービスやポータルから見える仮想マシン名などは指定したものになっていますが、実際の仮想マシンは復旧ポイントの通りに戻ります。(また試しにバックアップ中に作成したファイルなどは含まれてないので開始された時点のスナップショットになっていると思います)

また元仮想マシンが削除されていても関係なく戻すことができます。

データディスクについて

仮想マシンに接続されているデータディスクも一緒にバックアップ・リストアすることができます。(ポータルからキャプチャ(取り込み)選んだりした時と同じですね。

 

料金について

2015年4月1日から新しい料金体系になります。

保護対象のインスタンス毎に最大50GBまで510円+ストレージ使用料、50~500GBまでのデータがあるインスタンス毎に1020円+ストレージ使用料、以降500GBごとに1020円ずつ増加(+ストレージ使用料)となります。

以前が月間のバックアップ容量1GBあたり20.4円なので値下げですね。うまく使いましょう。

 

バックアップ用ストレージの構成

新しい機能でバックアップVaultに使用しているストレージの構成を変えることができます(但し保護対象が無いときのみ)

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Azure Storageの冗長化の設定ですね。料金にも関わるので注意しましょう。

 

まとめ

以前から仮想マシンのところでキャプチャ(取り込み)ができていましたが、作成したバックアップの管理などが大変でした。Azure Backupのこのプレビュー機能により、これまでより管理が容易で、柔軟に復旧計画を練ることができますね!

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